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2010年11月

2010年11月22日 (月)

スー・チーさん解放

 ミャンマーのスー・チー女史が11月13日、自宅軟禁から7年半ぶりに解放されましたが、欧米メディアは、相も変わらず、ミャンマーの軍事政権を絶対悪、スー・チー女史を紛う方ない正義の味方として伝えています。


< BBC News: 13 Nov 2010 >
The Burmese military authorities have released the pro-democracy leader, Aung San Suu Kyi, from house arrest.


 日本のマスメディアも、ことミャンマーの軍事政権に関しては、産経新聞でさえ、欧米史観に追従するのが当然というスタンスです。


< 産経:主張 2010.11.20 >
 ミャンマーの軍事政権が民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんの自宅軟禁措置を7年半ぶりに解除し、スー・チーさんは国民和解のためには「軍政との対話もいとわない」と言明した。だが、現状は民主化には程遠い。(中略)・・・・

 国際社会は今、22年間で計15年以上も拘束・軟禁されたスー・チーさんが再び自由を奪われないよう、監視を強める必要がある。(引用終わり)


 ですが、英国の植民地としての戦前のミャンマーの実態を知った上で、自分自身の目で東南アジア諸国の現実世界を見、或いは実際に住んだことがある人にとっては、ことミャンマーに対するマスメディアの情報発信は、真実とはほど遠い世界が報道されていることに気がつきます。

 そうです。このミャンマー報道は、正に、日本に対する中国の南京大虐殺、韓国の慰安婦問題と同手法の下心たっぷりの欧米諸国のプロパガンダなのです。

 殊にBBCが、スー・チー女史を the pro-democracy leader として声高に全世界に向かって正義の味方に仕立て上げている理由は、戦前、英国がビルマ人にした圧政とひどい仕打ちを覆い隠す為の詭弁にすぎません。アングロサクソンは、自分たちの正義のためには、平気で事実をねじ曲げ、平気で嘘を吐くのです。

 日本のメディアも同じようなものですが、日本のメディアが欧米メディア以上に悪質なのは、現地に赴き、自分の目で確かめ、真実を追究するなどという汗をかくことは一切せずに、ハナからイデオロギーだけで自分たちに都合の良い脚色で情報発信をしているところにあります。

 という訳で、黄昏新聞では、スー・チー女史は、ミャンマーのジャンヌ・ダルクに見事に変身します。

 

〈アウン・サン・スー・チーさん〉「ビルマ独立の父」と敬愛される故アウン・サン将軍の長女。インドや英国で政治学などを学び、1985年には京都大学東南アジア研究センターの客員研究員を務めた。母親の看病で帰国した88年、民主化を求める大規模な学生デモと激しい武力弾圧を目の当たりにして国民の前で初めて演説。民主化運動の象徴となった。同年、90年総選挙に向けて国民民主連盟(NLD)を創設し、書記長に就いた。その後、繰り返し軍政によって拘束、軟禁された。91年、ノーベル平和賞を受賞。英国人学者の夫(99年病没)との間に2人の息子がいる。<黄昏新聞:2010.11.13>


 でも、真実が持つ情報力は、やはり強い。地道な粘り強い情報発信しておられる日本人のジャーナリストの方々のお蔭で、ここ十年、漸くミャンマーの現軍事政権の真実が、知られてきました。

 たとえば、元産経新聞記者の高山正之さん。高山さんはご自身の著書「変見自在/スーチー女史は善人か」(2008年新潮社)では、スー・チー女史を性悪女と言いきり、全世界のメディアが褒め称えている彼女の民主化への政治行動を断罪してます。

 さらに、元ミャンマー大使の山口洋一さんは、「ミャンマーの実像/日本大使が見た親日国(1999年勁草書房)ので、スー・チー女史を次のように批評していらっしゃいます。


 確かに「民主主義」という抽象概念はさかんに口にする。そして政府のやることはすべからく悪なりとして、政府の政策には一から十まで反対し、非難の矢を向ける。しかし、彼女自身は国造りの方向性をどう描いているのか、仮に政権についた場合の政権構想は何か、具体的政策として何を打ち出すのか、国内政治は、福祉は、教育は、経済政策は、外交は一体どう進めようとしているのか、こうした政策の中身は一向に見えてこない。

 彼女の発言や執筆の内容は常に軍事政権を非難し、政府に反対することに終始する。今の政府の下では、外国の援助はもってのほか、外国投資にも、貿易にも、外国人観光客の来訪にも反対する。一九九五年に日本政府が実施した看護大学建設の無償援助までも、軍事政権を支援することになるとして非難のやり玉にあげている。看護婦を養成するという、一番一般大衆が必要とし、大衆のためになる事業にさえも、このような態度をとっているのである。いわんや日本政府が安全面に限って再開したヤンゴン国際空港のプロジェクトのごときは、いくら人命にかかわる安全面に絞っての工事であると説明しても、聞き入れようとしない。そして西側の国に対して、ミャンマーを制裁すべしとアピール
ている


 いゃ〜、どこかの眠守倒さんと、そっくり。

 私には、スー・チーさんって、小汀さんと同じ匂いがしてなりません。

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